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12月12日(火)全学礼拝―田中かおる先生(賛美歌BGM付)

2023.12.12
文書礼拝

奨励者:田中かおる(日本キリスト教団安行教会牧師、本学講師)

新約聖書:マタイによる福音書 第5章9節(新共同訳)P.6

「平和を実現する人々は、幸いである、

 その人たちは神の子と呼ばれる。」(新共同訳)

「平和を造る人々は、幸いである

 その人たちは神の子と呼ばれる。」(聖書協会共同訳)

 

奨励:平和を造る人々は幸い

 

 

[1]2019年8/24、8/25に国際放送のNHK WORLDで、また10/12にはNHKEテレ・ETV特集で「シリーズ日系人強制収容と現代・暗闇の中の希望(Hope in the Dark)」と題して、第二次世界大戦中の日系カナダ人収容所での宣教師達の働きが紹介された。日本がアメリカに対して無謀な戦争をはじめたことにより、アメリカにおいては、日系アメリカ人が強制収容所に入れられ民間人が過酷な生活を強いられたことは、よく知られている。アメリカの同盟国であるカナダにおいても、同じように、日系カナダ人が強制収容所に送られ、厳しい生活が強いられたのであった。その収容所において、当時のカナダの教会や日本から強制帰国を余儀なくされたカナダ人宣教師達が、こどもたちの教育の場を確保するために政府に働きかけ、日系人のために奔走したことのドキュメンタリー番組だった。このドキュメンタリーでは、当時、こうした宣教師達のおかげで高等学校の教育を収容所においても受けることができ、戦争が終わった時には、そのまま大学受験の資格を得ることができた日系カナダ人の1人が、感謝の言葉をのべていた。「収容所内で教育の場が確保されたことは、まさに『暗闇の中の希望(Hope in the Dark)』だった」と。 

[2] カナダの教会や宣教師達は、「戦争」という政治的対立の最中にあっても優先すべきは何か、ということを守り抜いた。優先すべきは何か?…それは、たとえ「戦争」という事態になっても、そういう政治的な動きに勝って「神を愛し、隣人を愛する」こと、であった。戦時下にあり政治的に敵国同士になっても尚、諦めずに、民間人としてできる限りの支援を続けることができたのは、神の愛のなんたるかを知っていたから。神に愛されている者として「神を愛し、隣人を愛する」ことへとつき動かされた人々であった。主イエスの言葉「平和を造る人々は幸い」を胸に刻んでいたに違いない。

[3]聖書における「平和」という言葉には、単に「戦争の無い状態」ということ以上の意味が込められている。ギリシャ語では「エイレーネ」というが、新約聖書においてはその背景にヘブライ語の「シャローム」の意味が加味されている。「『平和』は神と世界、神と人間の関係における『和解』が重要な要素となる。人間相互の平和も、人間の内的平安も、キリストによって打ち立てられた『神との平和』に基づくもの、という理解」。By 『新約聖書神学事典』…ひらたくいうと、「神との平和(和解)」が縦軸となって、「自分自身の内的平和」「隣人との平和」という横軸がなりたつ、ということ。神との和解とは、差し出されている神の愛を受け入れる、ということであり、それが自分自身の内なる平和へとつながり、隣人との平和を生み出すということである。神と和解できてこそ、他者との和解も成り立つ。…新約聖書においては、この「和解」が「キリストの十字架によって実現された」という証言が中核になっている。キリストの十字架の死は、神と人間との和解のための「執り成し」に他ならず、それを通して人間に神との平和(和解)が与えられた、と受け止める。この神との平和(和解)の上にあらゆる種類の平和が築かれていく。この十字架による「平和(和解)」がキリストによって実現されたことを信じるキリスト者は、それを証する者であり、平和を造りだす者として世に派遣されていく。従って、「エイレーネ」は、キリスト者を平和の実現の実践へと押し出す力をもっているのである。単に、自分が充足していることに留まらない、という点が大事!

[4]聖学院の存在も、多くの宣教師の先生方やその宣教師を送り出してくださった教会の人々の愛の実践の実りである。神の愛を知って「神を愛し、隣人を愛する」ことへと押し出された人達、また「平和を造る者は幸い」とおしゃってくださった主イエスのお言葉に促された人達による「愛の業」の表れである。…それは、とりもなおさず、神のみ業の表れでもある。

 この学院に学ぶ者として、世界があきらめかけていても「主イエスの贖いによる平和」に信頼して歩んで行こう。神の愛を知って「神を愛し、隣人を愛する=神を仰ぎ、人に仕う」というスクールモットーを胸に刻んで、ここから新たに出かけて行こう!「平和を造る人々は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」

 

 

祈り

「主なる神さま、あなたに愛されていることを知って、「神を愛し、隣人を愛する=神を仰ぎ、人に仕う」生き方を得させてください。「平和を造る人々は幸い」との主イエスの言葉を胸に刻んで出かけて行く者とならせてください。その主イエスが、混迷する私たちのために、この世に降ってきてくださったこと(生まれてきてくださった)出来事(=クリスマス)を感謝いたします。主イエス・キリストのみ名によって祈ります。アーメン。」