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7月27日(木)全学礼拝―藤掛明先生(賛美歌BGM付)
奨励者:藤掛明(総合研究所客員教授)
新約聖書:ヨハネによる福音書 第6章16~21節(新共同訳)P.174
「夕方になったので、弟子たちは湖畔へ下りて行った。そして、舟に乗り、湖の向こう岸のカファルナウムに行こうとした。既に暗くなっていたが、イエスはまだ彼らのところには来ておられなかった。強い風が吹いて、湖は荒れ始めた。二十五ないし三十スタディオンばかり漕ぎ出したころ、イエスが湖の上を歩いて舟に近づいて来られるのを見て、彼らは恐れた。イエスは言われた。『わたしだ。恐れることはない。』そこで、彼らはイエスを舟に迎え入れようとした。すると間もなく、舟は目指す地に着いた。」
奨励:ストレスにどう対処するか
今日の聖書の箇所は、イエスの弟子たちが、湖を小舟で進むなか、おりからの風と波に翻弄されパニックになる物語である。
湖上の嵐は、突然に始まり、長く続く。そして弟子たちは苦しむ。これはまさに、ストレスに打たれ、人生の嵐に苦しむ私たちの姿をも表しているのではないだろうか。
まず弟子たちは夕方から舟に乗る。この刻々と暗くなる時間帯の様子は、人生のまだ知らない局面を生きる私たちの姿を想起させる。また、対岸に進むというのは、今と違うステージを目指す姿を表している。このようなとき、私たちはストレスをより強く感じるのである。また、そもそも舟に乗ったのは強いられてのことであり、舟は曲がりなりにも半分以上進んでいた。これは、人のせいで自分にしわ寄せがくることや、今更後戻りができないと感じることでストレスがより大きく感じることを示している。
では、このような激しいストレスの嵐に、私たちはどのように対処すべきであろうか。
第一に、自分の勝手な解決イメージを捨てることである。実は、嵐にあえぐ弟子たちは、近づくイエスを幽霊だと勘違いした。まさか湖上を近づいてくるとは考えなかったのである。弟子たちには、別の解決のイメージがあったのだろう。
第二に、友情や絆を持つことである。イエスの「わたしだ」との語りかけは親しい関係の言葉である。一般的にも、友情や絆がストレスから人を守る最大の解決策だと言うが、それを突き詰めていくと神との絆になる。そして神との絆は、まず神のほうから話しかけてくださる関わりである。
第三に、イエスを自分の心の大切な場所に迎え入れようとすることである。これは嵐に自分の限界を知らされ、自分の無力さ、弱さを認めた人だけが出来ることである。聖書は、神から離れ、自分の無力さ、弱さを無視して生きる姿を罪と呼ぶ。そしてそれを素直に言い表すなら神に赦されると言う。こうして、人生の嵐のなかでも、恐れるなと語りかけてくださるイエスとともに生きていくことができるのである。
祈り
「天の父なる神様。いつもあなたに守られていることを感謝します。自分勝手な解決イメージを捨て、イエスを自分の心の大切な場所に迎え入れることができますようにしてください。御名によりて祈ります。アーメン。」