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7月14日(金)全学礼拝―金子毅先生(賛美歌BGM付)

2023.07.14
文書礼拝

奨励者:金子毅(政治経済学科教授)

新約聖書:コリントの信徒への手紙二 第4章8節(新共同訳)P.329

「わたしたちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、途方に暮れても失望せず、」

新約聖書:フィリピの信徒への手紙 第4章7節(新共同訳)P.366

「そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。」

 

奨励:主を実感した思い出の旅

 

 

 今からおよそ24年前、私は受洗後間もないクリスチャンだった。神様の子供になれたことが嬉しくて、神様への感謝の気持ちから、クリスチャンが企画した「聖書の地をめぐるツアー」に夫婦で参加することを思い立った。トルコまで行き、そこからエジプトでシナイ山に上り、紅海を船で渡り、陸路でヨルダンを経てイスラエルに至るという広大なルートを、ゆかりの地で聖書の関連個所を講読しながら、10日間をかけて巡り歩くというものだった。

 その途次、ヨルダンでのことである。ペトラ遺跡を歩いた私たち一行は喉がカラカラに渇き切っていていた。1月初旬のこの時期は通常気温は低いと聞いていたが、砂漠地帯ということもあり、気温が異常に高く、イスラエルに向かうバスの中で歩き疲れた我々はいささかグロッキーとなっていた。

 そんな中、バスの中で昼食となった。昼食は朝、ホテルで配布された弁当だった。ところがいざ食べ始めると、弁当にペットボトルの水が付いていないことに気が付いたのだ。他の乗客たちを見回すと皆、水を持っている。集合時間が早朝であったことから、前日の晩、添乗員から「明日は一日バスで砂漠地帯を走る。脱水状態にならないよう夕食後に各々、必ず売店で水を購入しておくように」と注意されていたのだが、うっかり買い忘れてしまったのだ。私たち夫婦は焦っていた。

 その時、教会の説教で聞いたみ言葉がうろ覚えではあるがふと頭の中に浮かんだ。それが本日のみ言葉の一つ「途方に暮れても失望せず」という一節の一部だった。それを信じて焦る心を抑えて改めて弁当の中身を確認すると、そこに丸々と太ったキュウリが一本ドンッと横たわっており、ギョッとした。なんというインパクト!おもむろに手を伸ばし、これが弁当の具なのか?と半信半疑で口に入れてみたところ、その瑞々しさと美味さに驚愕した。水なんかなくてもこれで十分水分は補充できるではないか!取るに足らぬことかも知れないが、そのキュウリはそれほど我々の乾ききった喉を潤してくれたのである。これはまさしく、砂漠の民にとって渇きを潤す神の恵みだったのだ。

 その後、イスラエルに到着し、ガリラヤ湖前の宿泊施設で簡単な礼拝を済ませた。その時、先の出来事を添乗員に話した。すると添乗員が私に教えてくれたのは、もう一つのみ言葉「そうすれば、あらゆる人知を越える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。」であった。

 私たちの知恵や力に頼り、いたずらに焦ったりするのではなく、まず「あらゆる人知を越える」主がいかなる時でも必要な知恵や力を与えてくれることを信じて歩んでいく姿勢こそが大切であると、実感させられた、まさしく生まれたてのクリスチャンに相応しい旅であった。

 

 

祈り

「私たちはよく進むべき道が分からず思い煩うことがあります。どうかそのような時も主を仰ぎ、主が必要な知恵を備えて下さることを信じ歩み続けていけますように私たちの心を整えて下さい。イエス様のお名前によりましてお祈り致します。アーメン。」