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6月1日(木)全学礼拝―片岡宝子先生(賛美歌BGM付)
奨励者:片岡宝子(日本キリスト教団東中通教会牧師)
新約聖書:ローマの信徒への手紙 第12章4〜7節a(新共同訳)P.291
「というのは、わたしたちの一つの体は多くの部分から成り立っていても、すべての部分が同じ働きをしていないように、わたしたちも数は多いが、キリストに結ばれて一つの体を形づくっており、各自は互いに部分なのです。わたしたちは、与えられた恵みによって、それぞれ異なった賜物を持っていますから、預言の賜物を受けていれば、信仰に応じて預言し、奉仕の賜物を受けていれば、奉仕に専念しなさい。」
奨励:では、どうすれば良いのか?
コロナ禍が始まってからも、週2回は、車で病院に通っていました。病院・介護施設でチャプレンとして働いていたためです。出勤時の車の中、大体ラジオをつけていました。2020年の5月、「新しい生活様式」という言葉をD Jが口にしているのを、居心地悪く聴いたことを覚えています。「変わらなくてはいけない」と繰り返していました。人との距離は2m間隔、マスクをつける、手洗い、帰ったらシャワー、移動の制限など。これらの行動指針は、今でも感染症対策として有効です。言われ始めた頃は、かなり厳しく実施が呼びかけられていました。急激な変化に対応しようとする人、困惑する人、どちらの立場の人もいたと思います。私自身は、「すぐに変わらないのではないか」と悲観的に聴いていました。
「変わらないのではないか」と私が感じたのは、人間の罪のことを思い出したからかもしれません。行動を変えるというのは、私たちの日常にある課題の一つです。人と人との間には、分断が生じます。努力しても、大切な人を見失うことがあります。傷ついた友に寄り添っても、その友が今も孤独のうちにあると気づくことがあります。誰かに忠誠を誓い、正しく生きようとしても、善い力が及ばないことがあります。いつの時代にも、課題はなくなりません。どうすれば良いのか問いたくなります。だから、変わらなくてはいけないと、ただ呼びかけられることは、居心地の悪いことなのです。
この時代を生きている皆さんは、どうすれば良いのか、すでにたくさん問い、進み続けてきたはずです。新しい生活様式は、新たな展開の中で呼びかけられるようになりました。今こそ、各自の賜物を大事にしていただきたいと思います。「賜物を大事にする」。この言葉を、現在の生活様式に加えていただきたいと思います。賜物とは宝であり、神から恵みと共にいただいたもの、善いものです。聖書に収められた手紙の書き手・パウロは、各自が賜物の受け取り手であることを見るべきであり、体の各部が大事にされるべきだと手紙に記しました。この「体」とは、キリストに結ばれている、賜物を与えられた一人ひとりです。部分は互いに働きあっています。変わらなくてはいけない。そうです。では、どうすれば良いのか。こう考える時、人と人、人と神との間につながりがあること、変わるべきでないものがあることを、どうぞ思い起こしてください。
祈り
「天の父なる神さま、文書礼拝の日が与えられたことを感謝いたします。この世界にある分断、悲しみ、自分の弱さを覚えながらも、私たちは、今日を生き抜こうとしています。どうか、あなたから与えられた賜物を、大事にすることができますように。人と人とのつながりが恵みを示すこと、神さまと人とのつながりが希望となることを思い起こさせてください。イエス・キリストのみ名によって祈ります。アーメン。」