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7月15日(金)全学礼拝 (賛美歌BGM付)
奨励者:小林茂之(日本文化学科教授)
新約聖書:ローマの信徒への手紙 第13章10節(新共同訳)P.293
「愛は隣人に悪を行いません。だから、愛は律法を全うするものです。」
奨励:Somebody to love
今回の奨励題は,イギリスのロックバンド,クィーンの有名な曲 Somebody to love(愛にすべてを) の歌詞から取りました.私は,映画「ボヘミアン・ラプソディ」を見てクィーンとフレディ・マーキュリーの大ファンになりました.
キリスト教文化圏では,キリスト教が人々の中に自然と浸透しているという印象を受けます.Somebody to love という曲は,クィーンのゴスペルソングであると言われます.繰り返されるフレーズは, “Can anybody find me somebody to love?” です.「誰か私に愛する人を見つけてくれ」で,歌詞はこの願いを神さまに心からお祈りしている内容です.
普通の日本人は,他者を愛することにこれほど熱心になれないと思います.しかし,他者に対して,積極的に愛を示しなさいというのがキリスト教の教えです.
キリスト教ではルカ福音書の「良きサマリアびと」のたとえ話が有名です.強盗に襲われて大けがを負った旅人を, ユダヤ人の司祭やレビ人は知らぬふりで通り過ぎたのに,通りがかりのサマリア人があわれに思って,宿屋まで運んで介抱し,しかも治療費も払ってくれたという話です.そして,イエスは,ユダヤ人の律法学者にこの旅人の隣人は誰かと尋ねます.ルカ福音書10章36節を引用します.
ルカ 10:36 さて、あなたはこの三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。
律法学者は,「その人を助けた人です」と答えます.ユダヤ人にとって隣人とは愛を行うべき対象なのですが,サマリア人というユダヤ人から差別を受けている異邦人をたとえ話の中心に置くことで,愛が行いを通して示されることに焦点が向けられます.
パウロは,ローマの信徒への手紙13章10節で,愛は律法の原理であると述べています.
ロマ 13:10 愛は隣人に悪を行いません。だから、愛は律法を全うするものです。
また,15章2節では,積極的に隣人愛に基づいて善を行うことを勧めています.
ロマ 15:2 おのおの善を行って隣人を喜ばせ、互いの向上に努めるべきです。
キリスト教の教えは,隣人を探してまで愛を行うことであると理解すれば,Somebody to love の日本語題名「愛にすべてを」がキリスト教的な愛にふさわしい題名に思えてきます.
祈り
「父なる神さま,隣人の苦しみを分かち合い希望と励ましを与える人のゆえに感謝します.
愛の本当の意味を教えて下さったキリストを通してこの祈りをみ前に捧げます.アーメン.
Father, we thank you for those who share in the pain of their neighbour
and offer hope and encouragement
to those who are hurting and depressed.
We bring our prayers in the name of Christ,
who taught us what love really means. Amen.」