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7月12日(火)全学礼拝 (賛美歌BGM付)

2022.07.12
オンライン礼拝

奨励者:佐藤千瀬(児童学科准教授)
旧約聖書:イザヤ書 43章4節(新共同訳)P.1130

「わたしの目にあなたは価高く、貴く

 わたしはあなたを愛し

 あなたの身代わりとして人を与え

 国々をあなたの魂の代わりとする。」

 

奨励:一人を大切にするとは?

 

 

 授業でSDGsについて学んだ時、「誰一人取り残さない」という考え方が「いいな」と感じた学生さんたちがいました。聖学院大学のタグラインである「一人を愛し、一人を育む。」に魅かれて入学した方もいるかもしれませんね。一人ひとりを見てもらえること、大切にされることは、多くの人にとっては嬉しいことなのではないかと思います。

 「一人」という時、異なる個性をもつ一人、という意味もあるかと思いますが、「個性」だけには還元できない「多様性」という意味もあるのではないかと思います。

 

 私は、学生の頃に家庭教師をしていました。ご両親は聴覚障害があり、子どもは耳が聞こえるご家庭から、国語の音読やリコーダーの練習をみてほしい、と依頼されたこともありました。日本の小学校でよく出される宿題も、ある子ども・家庭にとっては難しいことなのだと知りました。また、来日して間もなく、日本語が全く分からない子どもの家庭教師のボランティアをしていたこともあります。お互いの言葉が分からない中、中学の国語や数学、英語の宿題のどこから始めようか、辞書を使いながらコミュニケーションをとり、その子が言葉を発するまで待ちながら、進めていました。

 

 ただ、「誰一人取り残さない」を「教員」という立場で、大学で実践しようとすると、難しさを感じることもあります。大学には、表面的には分からなくても、文化的背景・日本語力・家庭環境・障害・体質等、様々な背景の学生さんがいます。授業一つをとっても、一人ひとりが安心して授業に集中できるような環境をどのようにしたらよいか、どのような言葉でどのような順序で説明したら全員に分かりやすいか、今日話す内容が誰かを傷つけることにならないか…と学生さんの様子を見ながら配慮することは多くあります。授業後の学生さんからの「出席シート」の内容で、その学生さんの抱える様々な事情を知ることもあります。ただ、クラスという集団場面では限界があり、なかなか一人ひとりに十分に対応できないこともあります。また、今まで私自身が出会ったことのないような背景の学生さんがクラスにいた時には、何もかもが本当に初めてで、手探りで授業方法も試行錯誤したりすることもあります。

 

 私は学生の皆さんとは、必要に応じて個別的な関わりをしていますが、直接関わらなくても大切に思い見守っている教員は多いのではないかと思います。

 様々なことがあり、「神様に見放されたのではないか」と感じている人もいるかもしれませんが、「わたしの目には、あなたは高価で尊い。私はあなたを愛している」と言って下さる神様からきっと見守られ、愛されていることと思います。

 

 

祈り

「愛する天のお父さま もうすぐ学期末を迎えますが、ここまであなたが見守り、導いて下さったことに心から感謝致します。これまでの疲れが出て、体調を崩されている人もいることと思いますが、皆の心身の健康が守られますように。自分を肯定することがなかなか難しい世の中かもしれませんが、一人ひとりが大切にされ、愛されていることを感じて、これからの時を過ごすことができますように。イエス・キリストのお名前を通してお祈り致します。アーメン。」